2024/12/14

2024/12/14 シアターランポンの演劇入門ワークショップ『記憶を旅するカメレオン』

★シアターランポンの演劇入門ワークショップ『記憶を旅するカメレオン』
日時:2024/12/14(土)13:30~16:30
会場:茅野市民館 アトリエ
講師:シアターランポン
参加者:18名
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令和6年度「劇場を楽しもう!」事業の第1弾として、シアターランポンの演劇入門ワークショップ『記憶を旅するカメレオン』を開催しました。
講師は、シアターランポンの武居卓さん・細川貴司さん。
高校生から70代の方まで、舞台などでの表現活動の経験がある方もない方も様々な18名の方にご参加いただきました。

ワークショップ前に、簡単に茅野市民館 辻野シニアディレクターより「劇場を楽しもう!」の事業紹介とサポートCの五味隊長よりご挨拶。

(挨拶する五味さん)

その後シアターランポンさんへ進行をお渡しして、ワークショップが始まりました。

(写真右側が武居さん、左側が細川さん)

●いよいよ、演劇入門ワークショップの始まりです!

最初に、武居さんより「記憶は劇場にかかせないもの」とお話がありました。
「記憶は自分が経験した記憶だけではなくて、自分では経験していなくても、その人の話を聞いていたら『わかるわかる』となるときがある。お芝居を見ているときも一緒で、そこに行ったことがなくても『わかる』って主人公の記憶を共有したりしている。劇場は記憶が欠かせない場所で、記憶を共有する場所でもあると感じている。今日はみなさんと記憶の共有の話ができたら。」

●始まりは自己紹介から

全員でお互いの顔が見える程度の円を作ってイスに座り、最初に自己紹介として、お名前と“今の私のニュース”を1人ずつ順番にお話いただきました。

自己紹介は最初、講師の武居卓さん・細川貴司さんから。
武居さんのニュースは、お子さんが昨日初めてジャンプをしたこと。
細川さんのニュースは、昨年免許を取ってから今回が初めての冬で、今朝は生まれて初めて雪道を運転した、ということでした。


参加者の皆さんのニュースも様々で、
今回のワークショップで茅野を初めて訪れた方、
今朝の雪に関連したニュース(車道の雪、北海道出身の方の地元の大雪の様子など)、
溜めていたテレビの録画を朝しっかり2本見て来られた方、
年末らしく家のお掃除の話や年賀状を書き始めた話、等々。
皆さんそれぞれの日常のニュースをお聞きしながら、しっかり「お互いの話を聞く」「話を聞いて、自分の中で受け止める」モードになったような場の空気感を感じました。

●その後は、「みなさんの思い出を少しだけ語って聞いて」の時間に移ります

講師の武居さんより、先に説明を受けます。
「なにかわからないけれど、1月・1年に1回/ここ最近思い出した/たまに、のどんな頻度でも、頭に一瞬でもよぎる景色があったりしませんか?そこで何か大きい出来事があった訳でもないけれど、人の話を聞いていると思い出すような…」
大事なことは、話された景色を共有したい、ということ。記憶はあとから自分の中で付け足したりしているので、ご自身の中に明確にある景色・記憶の話であれば、聞いている側から「え、違う」といった野次はなし、ということで記憶の共有が始まりました。

まずは武居さんの記憶から、中学校の通学路の景色の話です。
「通学途中の登りの坂道に入るところ。家の、今から思うと大根を洗う水たまりで、ザリガニがいた汚い池があった。その景色が濃厚によぎることがある。後日地元に帰ったとき、この記憶がどうしても見たくて歩いていったけれど、そこがなかった。周りの景色は変わっていないのにザリガニ池はない。」
武居さんの中には、そういった記憶があるとのこと。

武居さんの話を皮切りに皆さんが、思い出した・話をしたくなった順番で記憶が語られます。他の人の話に記憶が触発されて、自分の話を始める方もいました。



・子どもの頃、夜に出先で買った夕飯のカップラーメンの自販機。注ぎ途中でお湯が切れたり、フォークがなくなってしまった、ところまでの情景を思いだす。そこからどうやって食べたのか覚えていない。

・霧が濃い時に運転していたら、目の前に鹿のお尻。鹿のお尻しか記憶がない。

・諏訪湖が台風で氾濫した次の日?、見回りの方がボートを漕いできた。それが家に近づくと家の床までざばーと水が入ってきて、こっちに来ないでと屋内から見ていた。

・外出から帰宅したときに、子どもがインロックしてしまった。どうしようもなくて、消防車が来たらセットで救急車ももれなくついてきてしまって、近所の人が『何事か』と見ていたのを覚えている。

などなど、他の人の話を聞いているうちに「今なんとなく思い出した」とご自身の記憶が浮かんできたり、自分では経験していないけれども、話を聞いているとその人が見ている景色やその時の心情が「わかる」となったり。記憶を共有することで、お互い参加者同士が親密さも感じだしたり。
そんな場の雰囲気になりつつ前半は終了、休憩を挟んで後半に移ります。

●ワークショップ後半がスタート、記憶を旅する演劇体験!

後半は、もう少し演劇体験の手前に触れていく時間になりました。
前半で話した順番に1人ずつ皆の前に出て、語った記憶をもう一度自分で体験してみる、残りの人はその様子を座って鑑賞する。それをトライしていきました。

(ワークショップ後半の様子)

「演じなくていい。見ている人が面白いような動きをしなくていいから、自分のために時間を使う。いま話した景色をちょっと想像して、自分だけがその景色や記憶を思い出して、立ち止まってそれを見たり通り過ぎたりするだけ。見ている他の人は無視して、自分が体験をする時間にしてほしい」と武居さんから説明を受けました。
が、最初は「他の人の前に立つが、演技はしない?」「できるかなぁ?」といった面持ちで、参加者の皆さんは少しソワソワ。

演じなくていい、ということで、演技活動の経験者の方が難しいかもしれないとのこと。細川さん曰く、「人前に立つと笑わせたりしようとか思ってしまう、反応があると安心するから。ただ今日は、演劇の一番最初の種の部分を見てみようなので、上手くやろうとしなくていい。自分のための時間で自分が楽しめたらいい」。
やってみる前に、「自分のための時間だから」「自分のために時間を使う」と繰り返し伝えられ、リラックスしていいのか?緊張するのか?少々不思議な心地になりました。

 「車の中からカップラーメンを買っているのを見ていて、お父さんがカップラーメンを窓から渡すところ」
 「映画館を思い出して、こんな感じだったなぁと思い出して、映画館に入るところ」
 「交差点で車を眺めていて、誰も止まってくれないなぁと見ているところをやってみて」
など場面の指示をいただき、先ほど語った記憶をもう一度自分で体験してみる時間を、1人ずつ持っていきます。



「ここから見てみましょうか?」「ここにお店があって、パンを買って、このままあっちへ歩いていき、」「ここらへんで友達と別れて、」と自分の記憶の風景を目の前で見ている気持ちになるような声掛けで武居さん・細川さんよりサポートを受けながら、とりあえず記憶の体験をやっていきました。


「皆で先ほどの語りを共有しているので、見ている人が勝手に場面を想像できる。説明的な動きをしたり何かしたりしなくていい」と先に講師からあった通り、確かに目の前で何かすごく場面が展開されているような劇的な動きはないものの、記憶をご自身で再度体験している方の様子から、「たぶん今は、目の前で○○を見ているところだ」というように何となく同じものを共有して感じ取れるような空気感が、ワークショップの場に漂っていました。
前に立っている人はただ「そこにいる」だけに見えても、見ている側から、その方の体験している記憶や感情を想像で膨らませたり、「ただ見ている」以上にその人のことをもっとよく見ようとしたり思いを馳せたり、その人の背景にあるようなものを感じ取ろうとする、そうした不思議な鑑賞体験になりました。

●最後に少しだけ、演劇的な空間にチャレンジ

1人ずつの体験の時間が終わった後、「今回のワークショップの意図とは違ってくるけれど…、時間があるからやってみたい」と、武居さんが切り出しました。
5人の方が呼ばれ、先ほどは1人ずつでやってみたことを、5人で同時に舞台にあがってやってみることになりました。


照明が切り替わりBGMもかかって、本格的な舞台エリアが現れます。
5人がそれぞれのタイミングで舞台に出ていき、それぞれの立ち位置で記憶を体験し、「自分の記憶が体験できた」と思ったタイミングで舞台エリアから帰っていく。
5人が一緒に舞台の空間で行うというだけで、動くタイミングや舞台エリアでの滞在時間もそれぞれ、1人1人がやっていることは先ほどと変わらない、ですが…。


見ていると、先ほどまでの1人ずつのときとは全然違う、本当に5人それぞれの登場人物に物語がある「演劇」のよう。2~3分程度の短い時間でしたが、見ている方も自然にぐっと集中させられ、濃い時間・空気感が漂っていました。
講師からも、「かっこよかった、ベテラン女優のようにも見えた。」とコメント。
これで、ワークショップの時間は終了しました。

●最後に講師の武居さんから、まとめのお話をいただきました

「記憶を語ったときに出てくる、言葉にならない空気感や想像できるものが、演じるときに削がれてしまうことがある。そうして、ありきたりの物語になってしまう。
演劇を始めると、今のような空気感を感じることを飛ばしてしまって、長年過ぎてからその大切さに気付いても、なかなか分からなくなってしまう罠がある。
プロの演劇の稽古では、その役がどういう景色を見て・空気感を感じて立っているのか、を1か月近くするけれど、今回は皆さんが自分の記憶でやってみて、自分の中に正解があるからこそやってみることができた。名俳優の演技のようにもなった。
この“演劇入門”のワークショップで、演じなくても、演劇の基礎になるものの体験をしてみたかった。今回は参加者1人1人の中にある記憶でやってみたが、これが他の役でもできることが、演劇だと思う。」
武居さんも俳優の長い年月をかけ、こういったことを重ねてきたそうです。

「今回は、演劇を見ている方の時間にもなった。表現していない部分の些細なことにも想像を広げて、これだけ共鳴できてくるような芝居は、見る方・演じる方でお互いの良い状態・豊かな演劇だと思う。そういう演劇もある。
何もないところで何を感じられるか、何が想像できるのかが、いい演劇だと思う。
今回は台詞を言ったり動いたりしていなくても、すごく演劇的なことをやった。」

最後の武居さんのコメントで、今回のワークショップでは、“記憶を語る”ことから始まって、いつのまにか“演劇”の濃い部分にまで触れられていたことに気が付き、なるほど! 演じる方・見る方の双方で記憶を共有していく「劇場」という場所の不思議さ・奥深さを実感するワークショップでした。

今回は演劇入門のワークショップでしたが、次回は3月に、全5回で「お芝居をつくってみる」ワークショップを予定しています。

 
 
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\カメレオンのうらばなし/

ワークショップを振り返り、武居さんと細川さんにお話をうかがいました

 

 

――今日のワークショップでは、「演じる」ことの手前の、大切なことを一緒に経験してみるとおっしゃっていましたが……

武居 今回は「入門」なので、ふだんからお芝居をしている人というより、劇場でやっていることにかかわるきっかけだったり、演劇を見る側の人にとっても楽しみ方のプラスになるものを……というのがありました。

「見たことないけど見たことある気がする」「なにか共有できるものがある」「それって何なんだろう」って、ぼくらが演劇をやるなかで考えていることのひとつなんです。今回の内容でいうと、「自分の記憶を体験してみる」というのは、周りが「それはちがう」なんていえないから本人が自信をもってやれるし、見ている側は話を聞いて共有しているから、想像して補う。たぶん演劇って、そういうお客さんの力を信じているというか、お客さんの力に訴えかけるものだと思うんです。お客さんが入って舞台が成立するって、そういうことですよね。

細川 人間ってふだんから、目とか耳とか空気とか、細胞からものすごい量の情報をとっている。なのに演技するとなると、声で、顔で、雰囲気でやろうとする。いっぱいある細胞のなかの、すごく限定したところだけで勝負して「伝わらない」っていう。そこを脱ぐのがなかなか難しいんですけど、全部外したら「振動」が伝わる。振動が伝われば、実は思った以上の情報が伝わる。そこを信じてみるきっかけになるようなワークになったんじゃないかな。

武居 さっきのワークでも感動したんですけど、車が通りすぎる景色の、そこに「いた」。立体の車があるかのように見ようとするんじゃなくて、「わたしこういう気分だったわ」っていうところに入った。体験していた。そういう部分が敏感なまま、立てたほうがいいんだよなって。

細川 もとの「震え」がとまっていない。「演じる」になると震えがとまっちゃう人もいるんですけど、震えがちゃんとあるといいですよね。

ぼくは、演劇をやっていない人ほど演劇の固定概念がつよいと思っていて。でも、やればやるほど「演劇ってなんでもありだよね」って思える。「表現しないで」といわれると、どうしていいかわからなくなる……っていうのは、たぶん「表現」という言葉でやっていることが、ぼくらからすると「それは表現ではない」ということで……禅問答みたいになっちゃうんですけど(笑)。「ふだんのままでいいですよ」っていわれたほうが、よっぽどできるというか。

武居 人前に立つと「なんかしなきゃ」ってなる。それも役者としては必要なセンスではあるけど、楽しませるだけのモードになっていくと「おい、本質がなくなってくぞ」っていう。


――今日、最後に「ちょっとやってみよう」って5人で舞台に立ってみたのは

武居 やるか悩んだんですよ。個々の思いとか記憶を、ぼくが違うものに処理しちゃっているから。でも……実はすげえことやってんだよ、みなさん!ってことを、どうしてもちょっと知らせたくなっちゃった!(笑) もう、このステップを超えてお芝居をつくりたくなるような話がいっぱいあって。

今回のワークは、成果があやふやなものになってしまうという懸念はあったんですけど、言葉にできなくても、なにか感じ取れるものがあるほうが大きいかなって。もやもやしたりとか……

細川 勉強ではないし、積みあげていくものでもなくて、「アート」というものに触れているということだと思う。言葉にできなかったり、あいまいなもののほうを伝えるんだ、と。で、われわれがあんまりワークショップをやらないのは、これって実は大切な手の内でもあるので(笑)。

あと、ちょっと体験していただきたかったのが、みなさん「わたしの話、おもしろくないけど……」っていうけど、全員おもしろかったじゃないですか。そう、「おもしろがる」ことが必要だと思うんです。次のワークは特にそうなんですけど、見ている側が「おもしろがる」ってことを決めて、やる。「ぜったいおもしろくするから、やって」とか、「その話、ぜったい気になるところ見つけるから」って。

武居 ぼくら、疲れてる日は稽古場がなんにも動かないですね。おもしろがれる人がいないと、ただおもしろくないことが続いていく。おもしろがれる人がいてこそ、おもしろいものがようやく生まれてくるんで。

次のワークはまさにそっちですね。「見つける」。

細川 ドラマは「見つける」もの。そこに気づけるか。だから『カメレオンのみつけかた』では、そこを一緒に体験していただきたいなあと思っています。

 

――「劇場は記憶を共有する場所」とおっしゃっていましたが、そう感じるようになったきっかけは

武居 ぼくは、やっぱり串田さん*ですね。『月夜のファウストhttps://ttchino.blogspot.com/ なんて、遠い国の違う時代の話をやってるのに、景色とか、見たことある気がする。別に勉強なんてしてないのに、石畳、歩いてるとこういう音するよね、そこに横たわると冷たいよね、とか。なんでだろう。経験したことないことないのに、ある気がする。

串田さんの言葉を借りるなら、人類の記憶、地球の記憶というか。みんなが「あっ」て思う記憶をたぶんとても大事にして作品をつくっていた。それを一緒に体験していて、「あ! これが演劇のすごいとこなのかも」って、ぼくは思っちゃった。

そのときはここまで言葉になってないですよ。そう教わったということではなくて、そばにいて、勝手にそう思った。

*串田和美さん。まつもと市民芸術館の前芸術監督。シアターランポンの皆さんが松本で演劇を創造するきっかけとなったレジデントカンパニー「TCアルプ」を主宰。

細川 串田さんはお客さんの信じ方がすごいんですよね。今ここで起きている「おもしろい」「つまらない」ではないんです。芝居のほとんどを寝てたけど最後10分起きて、全部見た人より感動してたら、そっちのほうがいいっていうような。それが演劇という表現のすごさだと思うんですけど。

武居 それがぼくらの育ってきた根本にあって、こういう発想にいたっているかもしれないですね。

細川 お客さんを頼ってない演劇って多いじゃないですか。全部説明してあげないとって。でもそういう芝居はむしろ伝わらない。武居さんはお客さんのことをすごく信じてると思うんです。

武居 ……なんて、こんなえらそうなこといってますけど、自分が役者として演じるときは、もう余計なこといっぱいやっちゃいますよ! けど、それを稽古でそぎ落としていく。あ、こんなことしなくてもわかるよなって。「信じる」プラス、それじゃ伝わらないこともあるという境目を、ちゃんとわかっていればいいんだなっていうのはあるよね。

細川 稽古場は、失敗する場所。成功体験を積み重ねる場所ではなくて。いっぱい失敗していい、それが許される場所なんて、なかなかないですよね。新しい自分になろうとしていつもだめで、だめだめだーっていうのが、許される場所っていうのが、稽古場のある意味というか。

武居 『…ファウスト』で道化のシーンをやってて、家で練習するわけですよ。ミスらないように徹底的に。で、稽古でワーッてやったら、串田さんが「一生懸命頑張ってる人がそこにいるだけだな」って。あ、根本が違ったんだなって、演劇というものの視野がバーンって広がりましたよ。



2024/12/02

2024年度 演劇ワークショップ始まります!

茅野市民館では、地域の皆さんが劇場に親しむ様々な体験をお届けするプログラムを継続して実施しています。

今年度は、「茅野市民館『劇場を楽しもう!』」という事業名で、松本を拠点に活動する劇団・シアターランポンさんを講師に迎えた演劇ワークショップを実施します。
シアターランポンは、長野県松本市を拠点に活動してきたTCアルプ出身の俳優数名が2023年春に新たに旗揚げした劇団です。
ランポンさんを市民館での演劇ワークショップの講師にお迎えするのは、今回が初めてです!

その第一弾は、12/14(土)の「シアターランポンの演劇入門ワークショップ『記憶を旅するカメレオン』」。

いよいよ12月の本番日も近づいてきている中で、12/2(月)に、シアターランポンの武居卓さん・細川貴司さんにご来館いただき、この事業の企画制作・運営を担うNPO法人サポートCの五味さん(隊長!)・小池さんと市民館スタッフも同席して、新聞取材を受けました。

「カメレオン?」「記憶を旅する?」と、タイトルを見ると「?」と頭の中に浮かんできますが、武居さん・細川さんによると……、

ワークショップの中で、参加者のみなさんの思い出を語って聞いて、とすることで、
「カメレオンのように、みなさんの記憶の中にあったり、実際に日常の中に溶け込んでいるかもしれない、でも見過ごしているかもしれない物語みたいなものに出会えるといいなと思う。」
「思い出を用意してこなくていい、なにか分からないが忘れられない記憶や景色、頭の中にふとしたときに出て来る景色、こういう機会がないとなかなか深く語られないような記憶を思い起こしたい。」

思い出を語ることはなかなか難しそうだと感じられるかもしれませんが、途中で怪談会のお話も出され、「記憶はしゃべっているうちにどんどん出て来る。きっかけがあれば話が連鎖して出てくるものなので」とも。なるほど!

みなさんで自分の記憶を話したり、人の記憶を聞いたりして、演技の手前の部分、自分の中にある記憶を外に出して開いていく、「演じる」一番手前の部分を体験しましょう、と。

「普段演劇に興味が無い方、生活の中であまり関わることが無い方にもワークショップに来て欲しい。人ともっと話したい方も、自分の体験したことのない人の話を聴きたい方も来て欲しい。」
「劇場で俳優と一緒にご自身の記憶を巡っていただくワークショップなので、準備がなくても、『どんな旅だろう?』と興味を持った人が来ていただきたい。」……などなどと、お2人にお話しいただきました。

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その後のミーティングでは、12月のワークショップから繋がっていく、その後の今年度の展開に向けての打合せを行いました。

武居さん・細川さんへ今後のプログラムの内容を伺いながら、基本情報やスケジュール確認を行い、五味さん・小池さんと共に、プロダクションのメンバーでプログラムのイメージを共有できました。

まずは12/14の演劇入門ワークショップ、そしてその後の展開も引き続き、お楽しみにお待ちください!